大学の成績表 [事前準備 手続編]
前回は、「大学院留学のための3種の神器」のうち、推薦状に触れました。
今回は、次の神器である「成績表」についてです。
さて、いつ聞いてもあまりいい思い出のないこの言葉ですが(私だけか…)、どこの大学院でも必ず必要書類として要求されます。もちろん、成績表ならなんでもよいというわけではなく、「良い成績が記録された成績表」であることが要求されます。
具体的には、「GPA3.3以上」とか、「A first or upper second class honours (2:1) degree」というように、一定の成績が明確に要求されます。
GPAとは、Grade Point Averageの略であり、大学のすべての取得単位の平均点みたいなもので、
( 4 × 優の総単位数 + 3 × 良の総単位数 + 2 × 可の総単位数 ) ÷ ( 総獲得単位数 + 落とした単位数※) (※大学の発行する成績証明書に「不可」の記述がない場合、無視できる))
で計算される数値のことです。
また、「A first or upper second class honours (2:1) degree」とは、イギリスにおける大学の成績をあらわす基準であり、大学卒業時点の生徒の最終成績を、1st / Upper 2nd / Lower 2nd / 3rd / Pass に分類した場合のUpper 2nd (以上) を指します。イメージとしては、上位40%ぐらいでしょうか?
この両者の関係ですが、LSEのページを参考にしますと、「A first or upper second class honours (2:1) degree」に代わるものとして「Japan: a good first degree with a GPA of 3.3 or above」が要求されていることから、日本の大学であれば、GPA3.3以上であればとりあえずは要求レベルは満たすようです。
しかしながら、このGPAはなかなか曲者です。日本の大学の場合、生徒の成績を度数分布に基づいて(相対評価)上位○%を「優」、その次の○%を「良」に、というようにきちんとGPAを算出できるように成績をつけていない大学が多いのです。
現に、私の大学でも「今年は、180人中、優は2人!」と誇らしげにのたまう教授もいらっしゃいました。実際に英文の成績を取り寄せてみたところ、わざわざ「我が校では生徒にGPAに基づいた成績を与えていない」と注意書きがなされていました。最近はGPAが算出可能な成績を付与する大学が増えつつあり、我が母校もそのようになったと聞きますが、まだそうではないところも多い上に、過去の成績はいずれによせGPAに換算不能であることに変わりはありません。
さて、一応は注意書きがなされてはいるものの、「大学の選考担当者が注意書きなんか見ないかも…」とか、「それでも一応、GPA類似のものとして参考程度にはするだろう」という懸念がありましたので、おそるおそる自分でGPAを算出してみると…
へっ・・・?
なんと2.9程度しかない…。
もはや愕然とするしかありません。
もちろん、GPAはあくまでも出願者を判断する一つの材料にしか過ぎませんので、GPAが要求水準に満たなくても十分に合格は可能です。また、ある大学は、各国のいわゆる「有名(優良?)大学」をリストアップした上で、それらの大学についてはGPAが低くても大目にみてあげる、とまで書いてます。
しかしながら、2.9などという数値を応募要件に掲げている大学院などそうそうはありませんから、いかにこの2.9という凄まじい数値をごまかすのか適正に評価してもらうのかということが重要になります。
ここで大切なのは、「成績表は過去のものであり、いまさらいくら悔やんでもしかたない甘酸っぱい思い出のようなもの」のだということです。したがって、あまり勉強しなかった過去の自分の呪うのはそこそこにしつつ、残りの2神器に解決策を見出すしかありません。
次回は、成績表(の悲惨さ)をカバーするための推薦状、Essayの記載方法について紹介します。
なお、下記は内容がわかる人のみを対象とする情報です。
私は「和光(昔の人は湯島?)の研修所」の成績は提出しませんでした。その理由は、英国の大学側に「研修所」とはどういう生徒が属する機関であるか、そこで平均点以上、ましてやGPA3.3以上をとるのがいかに大変であろうかということを真に理解してもらうのは難しいであろうと踏んだからです。
しかも、大学の成績表と違い、本人も自分がどの程度の成績であったのかを知ることはできない建前になっていますので、出した結果、吉と出るか凶と出るかはわからないからです。
「普通みんな研修所の成績を提出してるけど、なんで君は提出しないの?」と万が一にも聞かれたときのために、「研修所は実務家になるためには必ず入所しなければならない機関であること、国から給与をもらっていることなどから、大学側が要求するAcademicな高等教育機関ではなく、むしろ職業訓練機関というべきである」、と無駄な理論武装をしておきました。(誰もそんなこと聞きませんでしたが…。)
このあたりの事情は、アメリカのLLMとイギリスのLLMではことなるのかもしれません。しかし、結果として私は出願9大学のうち8大学からオファーを得ることができましたし、職場の上司も過去にイギリス留学した際に研修所の成績は提出しなかったそうです。
以上から、少なくともイギリスLLM留学においては、「研修所の成績表」はmustではないようです。







初めまして、こんにちは。
私もこの秋からの英国大学院留学を目指している者です。
(レベルはかなり違いますが)
成績表の出し方で迷っていたところ、こちらに辿り着きました。
上記のこと、大変参考になりました。
もんらんさんは既にApplicationを提出済みなのですね。
私は3月上旬を目処にラストスパートをかけているところです。
これからもちょくちょくと遊びに来たいと思います。
by ドジョウ (2008-02-25 01:17)
ドジョウ様
こんにちは。コメントありがとうございます!誰かの何かの参考になればと思い書いているブログでしたので、このようなコメントは非常にはげみになります!
アプリケーションの提出は非常に手間のかかる作業で、私も非常に苦労しましたが、この先には留学が待っていますのでがんばってください!
これからもどうぞよろしくお願いします!
by もんらん (2008-02-28 09:19)
ご無沙汰しております。
私は、GPAを空欄の状態で出願しましたが、
無事にOfferを頂きました。
というのも、卒業した学校が日本の大学としては少し特殊な成績評価を行っており、完全相対評価であったためです。
また、Transcriptにも、「本学では、GPAやそれに類する成績の数値化を行っていない」旨の記述があったので、まぁいいかな、と。
もんらんさんは、最終的にどちらの大学に決められましたか?
私は、教授陣や講義テーマの面白さを吟味した結果、
Londonにしそうです。
by ヨシ (2008-02-29 13:08)
どうも、ヨシさん。
大学はまだ一部コンディショナルのものもありますので、まだ最終結論にはいたっておりません。まあ、5月ぐらいにきめようかなぁと思ってます。
やっぱロンドンも科目は魅力的ですよね…。
by もんらん (2008-03-02 23:57)
はじめまして。
検索していてたまたまヒットした為、立ち寄らせていただきました。
実は、私は現在30歳であり、社会人学生として働きながら大学に通い、ようやく学部2年生を終えようとしています。
大学院入試を考えているのですが、そろそろ大学院入試(修士課程)に向けて本格始動をしなければ…と思っているのですが、気になるのはやはり英語と成績の事です。
私は実はGPAが良くありません。
LSEを目指したいと思っていたのですが、3.3という成績に程遠い状態です。
1年次は2.68、2年次は2.69と、わずかではありますが上がってはいます。
しかし、どのみち3.0にも到達しない成績です。
困ったものです。
こんな私でも大学院に行けるのか非常に不安になってきました…
by もんらんさん (2010-03-07 07:54)
もんらんさん
実は、昨夜WarwickよりConditional Offerをいただきました。
このブログを参考に、準備を進めてきましたので、感謝申しあげたいと思います。
ところで、私はIELTSのスコアを付けずに出願したのですが、
私の選択したコースはIELTS8.0というとてつもない英語要件を出しております..
Offerをいただいたものの、正直、この要件をクリアできる実力は到底ありません。
Pre sessionalについての記述もオファーメールにはなく、たとえ、参加したとしても、それでどうにかなるものでもなさそうで、
本当に悩ましく思っています。
実際、Conditionalでスコア未達成で渡英し、Pre sessionalに通われる方は多いですか?
クリアできず帰国する方も多いのでしょうか?
by rose (2010-04-14 12:39)
roseさん
コメントありがとうございます。このブログが少しでもお役にたったということであれば、これほど嬉しいことはございません。
プレセッショナルについてはIELTSの点数を提出されていない以上、大学側としてもプレセッショナルを勧めるべきなのかわからなかったから特段言及していないということだと思われます。(即ち、単にまだIELTSを受けていないだけで語学力的にはネイティブ並みの可能性もあるわけですし…。)
プレセッショナルについては、(最低限度のスコアがあれば)希望すれば誰でも申し込めるものと思われますので、大学にメール等されてみてはいかがでしょうか。
さて、Conditionalのまま渡英し、Pre-sessional終了後のWELTと呼ばれるテストでも要件を満たすことが出来なかった生徒は毎年います。(但し、実数としてどの程度の生徒が夢破れて帰国しているのかは分かりません。)
WELTは試験としての歴史も浅くIELTS等に比べてまだ試験としての難易度が安定していないようであり、私の年にはPre-sessionalの生徒の3割近くが不合格となってしまうという異例の事態となってしまいました。結局、各学部は大学院に進学した後もIn-sessionalの英語コースに通い続ける等の一定の条件を付した上で入学を許可するなど、それぞれ独自の対応を取っていたようです。Conditionを満たせなかった場合の取扱いについては完全に大学(各学部)の裁量事項になりますので、今年はどうか、この学部ではどうかということは残念ながら分かりかねます。
個人的には、たとえスコアを満たす事は出来なくても、Pre-sessionalの先生による評価(英語力+やる気+学問的素養等々を含めての評価)や大学との交渉場面におけるアピールの結果次第では、Conditionを満たせなくても入学を認められるケースがあるのではないかと思います。
大学側の視点は極めて明確で、「この生徒を入学させて授業についてこれるか。授業に貢献できるか、他の生徒に影響を及ぼす事ができるか」ということに尽きるのだと思われます。
以上、非常に抽象的なコメントで恐縮ですが、ご参考にしていただければと思います。
by もんらん (2010-04-15 01:56)
もんらんさん、
大変遅くなりましたが、お返事ありがとうございました。
やはり、今の私の英語力では、Presessional→条件満たせず帰国といった風になるのは目に見えており、
危険な賭けにでるのは、無謀なので、他の出願校の結果も待ちつつ、
一年入学を延期しようと心に決めました。
条件が英語だけ、とはっきりしていているので、あと1年、苦しいですが、
IELTSと心中したいと思います。
by rose (2010-05-16 18:25)